出典:YouTube
2013年3月13日にリリースされたサカナクションの6枚目にしてセルフタイトルのアルバム『sakanaction』は、オリコンチャート初登場1位を記録したバンド史上最大のヒット作です。
エレクトロニック、ロック、ポップ、ニューウェーブが繊細に融合された本作は、彼らの掲げた「外向きと内向き」の音楽の狭間を行き交う構成が印象的です。音楽におけるバンドの存在価値や表現の幅を再定義した作品として、日本のインディ・ロック/エレクトロニックシーンで広く高い評価を得ました。
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アーティストについて
サカナクションは北海道・札幌出身の5人組バンドで、音楽ジャンルの垣根を軽やかに横断するスタイルが特徴です。
メンバーは山口一郎(ヴォーカル/ギター)、岩寺基晴(ギター)、草刈愛美(ベース)、岡崎英美(キーボード)、江島啓一(ドラムス)の5名。
バンド名は「魚」と「行動 (action)」を掛け合わせた造語で、「変化を恐れず軽やかに泳ぎ続けたい」という思いが込められています。
アルバムの特徴・個性
本アルバムのテーマは、「メビウスの帯」のように外面を向く“外向き”と、内側から音楽を探る“内向き”を行き来することです。
ドラマやCMタイアップのためのシングル曲(例:「Aoi」「Music」)と、自己の内的世界を掘るインスト曲や実験的曲(例:「Inori」「Structure」)を融合させ、バンドの表現の幅と矛盾を一枚に包み込んでいます。英語記事やレビューでは、ストレンジかつ奇抜なほど多層的な構成としてしばしば言及されており、その斬新さと多才さが高く評価されています。
『sakanaction』全曲レビュー
1. Intro
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特徴:アルバムの幕開けを飾る、わずか1分弱のインストゥルメンタル曲。静謐なシンセサイザーの音色と水の底に沈んでいくかのような音響空間が、聴く者をサカナクションの世界へと誘う。
2. Inori
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特徴:クラブミュージックに深く影響を受けたインストゥルメンタル曲。緻密に構築されたミニマルなリズムとシンセサイザーの反復フレーズが、聴く者を瞑想的な世界へと誘う。
3. ミュージック
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ジャンル:エレクトロニカ、ロック
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特徴:軽快なリズムと、温かみのあるシンセサイザーの音色が特徴。ロックバンドとしての力強さとエレクトロニカの浮遊感が融合しており、サカナクションの「今」を象徴するサウンド。
4. 夜の踊り子
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ジャンル:テクノポップ、ロック
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特徴:アルバムからの先行シングルであり、ライブでの定番曲4つ打ちのリズムに日本語の情緒的な歌詞が乗ることで、現実と夢の境界をぼかす演出がなされている。夜の街で踊り明かす情景を音で表現しており、クラブ的でありながらどこかノスタルジックな情景が浮かび上がる一曲。
5. なんてったって春
6. アルデバラン
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ジャンル:エレクトロニカ、ポップ
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特徴:幻想的なシンセサイザーの音色と、心地よいリズムが特徴的な楽曲。まるで星空を彷徨うかのような浮遊感と、山口一郎のどこか憂いを帯びたボーカルが聴く者の心を掴む。夜の闇の中に光を見出すような内省的で美しい一曲。
7. M
8. Aoi
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ジャンル:ロック、エレクトロニカ、アンセム
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特徴:壮大なシンセサイザーの音色と力強いバンドサウンドが融合した、このアルバムのハイライトの一つ。歌詞は、希望と絶望、明日への渇望を歌っており、聴く者の心を強く鼓舞する。
9. ボイル
10. 映画
11. 僕と花
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ジャンル:ポップ、ロック
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特徴:先行シングルであり、ポップソングとしての洗練度が増した楽曲。言葉の選び方やメロディの緩やかさが、直接的な感情表現として心に残る。
12. Mellow
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ジャンル:ディープハウス、アンビエント
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特徴:アルバムの終盤に差し掛かる落ち着いた雰囲気の楽曲。深く響くベースラインと心地よい電子音が、聴く者をリラックスさせる。
13. ストラクチャー
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特徴:アルバムのクライマックスを飾る実験的なインストゥルメンタル曲。緻密に構築されたリズムとシンセサイザーのレイヤーが、聴き手の意識を深く引き込む。
14. 朝の歌
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ジャンル:エレクトロニカ、ポップ
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特徴:アルバムの最後を締めくくる希望に満ちた楽曲。夜の闇を抜けて朝日が昇るような情景を音で表現している。
こんな人におすすめ!
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サカナクションの音楽に初めて触れる人
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日本のエレクトロニック・ポップやロックが好きな人
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山口一郎による詩的かつ現代的な歌詞世界に惹かれる人
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実験的で独創的な音楽を求めている人
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ダンス要素もありつつバンド演奏へのこだわりを感じたい人
同じ系統の楽曲・アルバム5選
1. Yellow Magic Orchestra『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』
日本のエレクトロニック・ポップのパイオニアであるYMOの代表作。テクノとポップを融合させたそのサウンドは、サカナクションが持つエレクトロニカのルーツであり、革新的な精神に多大な影響を与えた。
2. 電気グルーヴ『VOXXX』
テクノとロック、ユーモアと日本の独特な文化を融合させた、電気グルーヴの傑作。エレクトロニカの側面と共通する部分が多く、特にクラブミュージックとポップの融合という点で通じるものがある。
小山田圭吾によるソロプロジェクト、コーネリアスの代表作。シューゲイザー、エレクトロニカ、ポップ、ロックといった多様なジャンルを融合させ、緻密に構築されたサウンドは、サカナクションが持つ実験精神と通じるものがある。
4. Radiohead『OK Computer』
ロックバンドでありながら、エレクトロニカや実験音楽の要素を取り入れたRadiohead の金字塔。サカナクションが持つ、内省的で哲学的な歌詞や、ロックの枠を超えたサウンドの探求という点で、強い共通点を感じるだろう。
5. Supercar『Futurama』
ロックバンドでありながら、エレクトロニカの要素を深く追求したスーパーカーの4thアルバム。緻密にプログラミングされた電子音と、ギターが絡み合うサウンドは、サカナクションの音楽性にも大きな影響を与えている。
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