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Thirty Seconds to Mars『This Is War』(2009)|壮大なアリーナ級ロック・アンセム

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出典:YouTube

2009年にリリースされたThirty Seconds to Mars(サーティー・セカンズ・トゥ・マーズ)の3rdアルバム『This Is War』は、彼らのキャリアにおいて最も壮大かつ実験的な作品のひとつです。オルタナティブロックの枠を越え、シンフォニックなアレンジやエレクトロニック要素を取り込みながら、同時に社会的メッセージを前面に押し出した内容となっています。

当時、バンドはレーベルとの法的闘争や、バンドとしての存続危機など困難な状況に直面していました。その逆境をエネルギーに変換し、「戦い」をテーマに据えた本作は、バンド自身の再生と、リスナーに向けた強烈なメッセージを兼ね備えています。

スタジアムロック的なスケールの大きさ、合唱を取り入れたドラマチックな展開、そしてカタルシスを誘うサウンドは、多くのファンにとって彼らの代表作として記憶されています。

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アーティストについて

Thirty Seconds to Marsは、俳優としても知られるJared Leto(Vo, Gt)を中心に結成されたアメリカのロックバンドです。結成は1998年、2002年にセルフタイトルのデビューアルバムをリリース。その後2005年の『A Beautiful Lie』で世界的にブレイクしました。

彼らの特徴は、映画的とも言える壮大な音作りとJared Letoのカリスマ的なボーカル表現です。さらに、歌詞は哲学的・社会的テーマを扱うことが多く、音楽を通じて聴き手に深い問いを投げかける点にあります。『This Is War』は、その姿勢が最も強く結晶化した作品であり、同時にバンドが真に「世界規模のロックバンド」として認知された契機ともなりました。

アルバムの特徴・個性

本作は、前作までのエモーショナルなオルタナティヴ・ロックの基盤を引き継ぎつつ、よりスケール感のあるスタジアム志向のサウンドへと発展しています。大人数のコーラスやオーケストレーションシンセサイザーを駆使した壮大なアレンジは、単なるロックアルバムを超えた“音楽的叙事詩”ともいえる仕上がりになっています。

また、戦争や人類の未来を象徴的に描き出すリリックが特徴的で、個人的な痛みや葛藤を超えて「普遍的な人類の問いかけ」へと昇華している点も大きな魅力です。

アルバム全体を通して感じられるのは、「絶望と希望の二面性」。攻撃的で緊張感に満ちた曲と、祈りや救済を求めるような静謐な曲が交互に配置されることで、聴き手はまるで戦場を旅するかのようなダイナミズムを体験できます。

『This Is War』全曲レビュー

1. Escape

2. Night of the Hunter

  • ジャンル: オルタナティブ・ロック/インダストリアル

  • 特徴: エレクトロニックなリズムと重厚なギターが融合。ジャレッドの低音から高音までの表現力が際立ち、闇を切り裂くようなパワーを持つ。内面的な戦いを描いた歌詞が印象的。

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3. Kings and Queens

  • ジャンル: シンフォニック・ロック/オルタナティブ・ロック

  • 特徴: 本作を象徴する楽曲の一つ。子供たちの合唱を取り入れた壮大なサビが印象的で、アンセム的な高揚感を生む。自由や希望をテーマに掲げ、ライブでも最大の盛り上がりを見せる。

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4. This Is War

  • ジャンル: オルタナティブ・ロック/インダストリアル・ロック

  • 特徴: アルバムのタイトル曲。力強いビートとコーラスが融合し、「これは戦争だ」という叫びがリスナーに強烈な印象を与える。バンドの姿勢を集約したメッセージソング。

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5. 100 Suns

  • ジャンル: アンビエントオルタナティブ・バラード

  • 特徴: 短くも心に残る曲。アコースティック的な響きとシンプルなボーカルで、核や戦争の破壊力を暗示する。静かながらアルバムのテーマ性を補完する重要な楽曲。

6. Hurricane

  • ジャンル: エレクトロ・ロック/オルタナティブ

  • 特徴: Kanye Westをゲストに迎えたバージョンでも知られる。ダークでセクシャルな雰囲気を持つ曲で、ビートとシンセの絡みが独特。歌詞は破壊と愛欲が交錯する。

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7. Closer to the Edge

  • ジャンル: オルタナティブ・ロック/エモーショナル・ロック

  • 特徴: 疾走感のあるサウンドとキャッチーなサビで、ファンの間でも人気の高い楽曲。人生の刹那と決断を歌い、共感を誘う。ライブでの合唱率が非常に高い曲。

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8. Vox Populi

  • ジャンル: スタジアム・ロックオルタナティブ

  • 特徴: タイトルは「民衆の声」を意味し、大合唱を前提としたアレンジ。リズムの重厚さと声の力強さが組み合わさり、集団的エネルギーを象徴するトラックである。

9. Search and Destroy

  • ジャンル: オルタナティブ・ロック/インダストリアル

  • 特徴: 攻撃的なリフと鋭いドラムが特徴的。タイトル通り軍事的な比喩が使われ、自己破壊と再生をテーマにしている。

10. Alibi

  • ジャンル: バラード/オルタナティブ・ロック

  • 特徴: 儚さと希望を同居させたスローバラード。ピアノとストリングスが主体となり、ジャレッドの繊細なボーカルが映える。内省的な美しさを持つ。

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11. Stranger in a Strange Land

  • ジャンル: エレクトロ・ロック/アンビエント

  • 特徴: エレクトロ的なシンセを強調したトラック。異邦人としての孤独やアイデンティティの模索をテーマにした歌詞が深い。実験性が強い一曲。

12. L490

13. Kings And Queens LA Riots Main Vocal Mix

  • ジャンル:エレクトロ・ハウス/リミックス

  • 特徴:本作の代表曲をLA Riots がリミックスし、鋭利なシンセサイザーと重低音のキックを軸に再構築されている。ヴォーカルは原曲の持つ力強さを保ちながらも、ループ処理やエフェクトによってダンサブルな浮遊感を獲得している。

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こんな人におすすめ!

  • スタジアム規模の壮大なロックを求めている人

  • ロックとエレクトロニカの融合に興味がある人

  • メッセージ性の強いアルバムを聴きたい人

  • Linkin ParkMuseのようなドラマチックなサウンドが好きな人

  • 逆境を乗り越える力や、勇気をもらいたい人

同じ系統の楽曲・アルバム5選

  1. Muse -『The Resistance』
    イギリスのロックバンドMuseによる壮大なコンセプトアルバム。クラシック音楽の影響を受けたシンフォニックな展開と、エレクトロやプログレ要素を組み合わせている点が特徴。
  2. Linkin Park -『A Thousand Suns』 
    戦争、核兵器、テクノロジーと人類の未来をテーマにしたコンセプトアルバム。ロックに加え、エレクトロやアンビエントを大胆に導入し、サウンドスケープの壮大さを追求している。
  3. My Chemical Romance -『The Black Parade』 
    死と再生をテーマにしたロック・オペラ的作品。アルバム全体でストーリーが展開し、劇場的なサウンド構築が特徴。
  4. Imagine Dragons -『Night Visions』 
    シンセを多用したポップロックとスタジアム規模のアレンジを融合した作品。大衆的でありながらメッセージ性も強い。
  5. Coldplay -『Viva La Vida or Death and All His Friends』 
    歴史や戦争、宗教をテーマにした壮大なコンセプトアルバム。オーケストラや民族音楽的要素を取り入れ、スタジアムを意識したスケール感を持っている。

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まとめ

Thirty Seconds to Marsのアルバム『This is War』は、バンドの苦闘と、ファンとの強い絆が生み出した、唯一無二の芸術作品です。このアルバムが持つ、戦いと希望のメッセージは、時代や状況を超えて、多くの人々に勇気を与え続けています。

もし逆境に立ち向かう力を得たい、または壮大なロックサウンドに身を委ねたいと感じたなら、ぜひ一度、『This is War』を聴いてみてください。きっと特別な一枚になるはずです。