出典:YouTube
2000年リリースの Wyolica 『Who Said “La La…”?』は、日本のジャズやフォーク、チルアウトを解釈した“フォーキー・ソウル”な音楽を繊細に紡ぎ出した傑作です。
Azumi(ヴォーカル)とSo-To(ギター)からなるデュオによるこの作品は、J-Popと並ぶ、呼吸のように自然でナチュラルな日本語ポップという存在感で、当時の音楽シーンに穏やかな風を吹き込みました。
温かみのあるギターと柔らかな歌声で染まった楽曲たちは、時を経ても色褪せません。
アーティストについて
Wyolica(ワイヨリカ)は、1997年にソニーのオーディションで出会った Azumi(札幌出身、ヴォーカル)と So-To(大阪出身、コンポーザー/プログラマー)によるユニットです。
Azumi は Ella Fitzgerald や Keith Jarrett に影響を受け、So-To は Nick Heyward や Brian McKnight、さらに Earth, Wind & Fire のトリビュートバンド経験もというバックグラウンドを持ち、フォーキーでソウルフルな音楽を模索しました。
2000年、『Who Said “La La…”?』でデビュー後、数枚のアルバムを経ていったん活動休止、2007年以降に復活しています。
アルバムの特徴・個性
本作は、フォークの親しみやすさ、ソウルの暖かさ、チルアウトの落ち着きを併せ持つ音像が特徴です。
ギターとヴォーカルを中心に据えることで引き算の美学を体現し、過剰な装飾を排したナチュラルさが魅力。「Funky Soul」と自ら名付けたその音楽性は、一部では“City Pop の対極”とも評されるほど、自分の内側に寄り添うような落ち着きを与えてくれます。
語りかけるようなAzumiのボーカルと、So-Toの温かなギターが織りなす響きは、まるで日常の一コマをそっと切り取ったかのようです。
『Who Said “La La…”?』全曲レビュー
1. 風をあつめて
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ジャンル:フォーク・ポップ
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特徴:アコースティックギターの柔らかなアルペジオが、まるでそよ風のように心地よい導入を奏でる楽曲。過去の思い出や、過ぎ去った日々に思いを馳せるノスタルジックな歌詞が、azumiの優しくも力強いボーカルによって情感豊かに歌われる。
2. さあいこう
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ジャンル:フォーク/ポップ
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特徴:「さあ行こう」と呼びかけるリズミカルな楽曲。歌声とギターが軽やかにステップしながら前へ進む感覚があり、夢や冒険への期待が表出している。
3. 冷たい雨
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ジャンル:フォークバラード
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特徴:切なさや孤独を帯びたピアノとギターのバランスが印象的。冷たい雨の中に立ち尽くすような情感を、歌声がほのかに揺らしながら届ける一曲。
4. 悲しいわがまま
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ジャンル:フォーキーソウル/バラード
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特徴:「悲しいわがまま」というタイトル通り、甘く切ない独り言のような歌詞をAzumiが優しく歌い上げる。感情の機微が静かに染み込んでくる。
5. こたえて
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ジャンル:フォークポップ
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特徴:問いかけるように淡々と紡ぐ歌声が印象深い。返答を待つような静的な緊張感を伴いながら、ギターの響きがやさしく支える。
6. 愛をうたえ
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ジャンル:フォークソウル
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特徴:“愛を歌え”と静かに促す歌詞。Azumiのヴォーカルには静かな慈しみが宿り、So-Toのギターがそっと伴奏するよう。
7. キスの温度
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ジャンル:フォーキーソウル/チルアウト
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特徴:恋愛の親密な瞬間を描いた曲。Azumiのささやくような歌声が、まるで耳元で歌っているかのような近さを感じさせる。so-toのギターが繊細に鳴り、楽曲の余白を美しく彩っている。
8. When I’m with you
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ジャンル:ソウル、ポップ
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特徴:温かいキーボードの音色と、優しい歌声が心地よいミディアムテンポの楽曲。大切な人と共にいる時間の幸福感を歌った歌詞が、聴く者を優しく包み込む。温かみのあるメロディと、柔らかなグルーヴが、心の安らぎを与えてくれる。
9. Are you missin’ me?
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ジャンル:ポップ/アコースティック
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特徴:軽快なアコースティックギターのリフが印象的な、爽やかな楽曲。遠く離れた人への想いを問いかけるような歌詞が、透明感あふれるazumiのボーカルによって、切なくも明るく歌われる。
10. 渚
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ジャンル:アコースティック・バラード/フォーク
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特徴:アルバム終盤を締めくくるにふさわしい、静かな情緒を湛えた楽曲。アコースティックギターの音色と穏やかなボーカルが波の音のように寄せては返し、リスナーを優しい余韻に包む。
こんな人におすすめ!
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日常の中の静かな情感を音楽で感じたい人
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シンプルだけれど心に残る歌声が好きな人
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フォークやチルアウトなど、ゆったりした音楽が求められる人
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透明感ある魅力ある女性ヴォーカリストが好きな人
- カフェで流れているような、心地よくて洗練された音楽が好きな人
同じ系統の楽曲・アルバム5選
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Salyu – 『terminal』
柔らかなエレクトロポップと繊細な歌声が融合した一枚。"フィルターを通したような"歌声の質感が、Wyolica の静かな包容力と重なる。 -
Monday満ちる - 『Naked Breath』
ジャズ・ヴォーカリストでありながら、ハウスやエレクトロニカの要素を巧みに取り入れたサウンドで知られるMonday満ちるの2002年リリースのアルバム。都会的で洗練された雰囲気と、ジャジーでソウルフルなボーカルが魅力。 -
orange pekoe – 『Organic Plastic Music』
2002年リリースのデビュー作で、ジャズ、ボサノヴァ、ソウルを取り入れた洗練されたアコースティックサウンドが魅力。透明感あるボーカルとジャズギターが織りなす音は、カフェやリビングルームで流すだけで空間を柔らかく包み込む。 -
LOVE PSYCHEDELICO – 『The Greatest Hits』
2001年のデビュー以降、洋楽テイストを取り入れた日本のポップ・ロックを牽引したデュオ。シンプルなギターと英語混じりの歌詞が独特の世界観を構築している。 -
ACO – 『absolute ego』
1999年リリースの名作で、ヒップホップやジャズ、エレクトロニカを融合させた都会的なサウンドが特徴。ミニマルなトラックとACOのアンニュイな歌声が織りなす楽曲群は、余白の美学を持つ。
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まとめ
『Who Said “La La…”?』は、Wyolica の“フォーキー・ソウル”が初めて結実した作品として、まさに「静かな感情の共振」を体現しているアルバムです。
派手ではないけれど、心の奥に届く歌声と音の柔らかさに包まれる体験は唯一無二。好きなときにそっと開いて、優しく寄り添ってくれる名盤です。