出典:YouTube
1990年代の音楽を振り返ったとき、Björk の『Homogenic』ほど「唯一無二」という言葉が似合うアルバムはありません。
1997年に発表された3rd アルバム『Homogenic』は、電子ビート、ストリングス、圧倒的な歌声を融合させた作品です。単純に「エレクトロニカ」や「オルタナティブ・ポップ」と分類するにはあまりにも個性的で、クラシック、テクノ、トリップホップ、実験音楽、アート・ポップがひとつの世界に溶け込んでいます。
『Debut』や『Post』で見せたカラフルな音楽性から一転し、『Homogenic』ではより統一された、重く、美しく、緊張感のあるサウンドを追求しています。
冷たい電子音と温かい弦楽器。その正反対のような音が同居することで生まれる独特の美しさこそ、本作最大の魅力です。
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アーティストについて
Björk は、アイスランド・レイキャヴィーク出身のシンガーソングライター、プロデューサー、女優です。
オルタナティブ・ロックバンド「The Sugarcubes」のヴォーカリストとして世界的な注目を集めた後、1993年にソロ・アルバム『Debut』をリリース。ハウス、ジャズ、トリップ・ホップなどを独自に吸収した先進的なポップ・ミュージックで一躍トップスターとなりました。
人間の声の限界に挑むかのような圧倒的な歌唱表現力と、常に時代の先端を行くビジュアル&サウンド・プロデュースの才能は、Thom Yorke やArca、Lady Gaga など幅広い分野のトップクリエイターたちにインスピレーションを与え続けています。
アルバムの特徴・個性
『Homogenic』の最大の魅力は、「火山と氷の国」アイスランドを象徴するような、荒々しく武骨なエレクトロニック・ビートと優美なストリングス・オーケストレーションの鮮烈なコントラストにあります。
前作『Post』のカラフルで多角的な音楽性から一転し、本作ではテーマや使用楽器の音色を絞り込む「単一性」を追求。Mark Bell(LFO)をメイン・プロデューサーに迎え、歪んだハードなビートと叙情的な弦楽八重奏を見事に衝突させています。
愛、怒り、情熱、精神的な再生。Björk のエモーショナルな歌声が縦横無尽に響き渡り、エレクトロニック・ポップスをアートの域へと引き上げた不朽の名作です。
『Homogenic』トラックリスト
- Hunter
- Jóga
- Unravel
- Bachelorette
- All Neon Like
- 5 Years
- Immature
- Alarm Call
- Pluto
- All Is Full of Love
こんな人におすすめ!
- エレクトロニカやアート・ポップが好きな人
- 電子音とクラシック音楽の融合に興味がある人
- 美しくも少し不穏な音楽が好きな人
- ストリングスを使った壮大なポップスが好きな人
- 「普通のポップスでは物足りない」と感じる人
同じ系統の楽曲・アルバム5選
- Radiohead『Kid A』
ロックバンドという枠組みから電子音楽、ジャズ、アンビエントへ大胆に踏み込んだ作品。『Homogenic』と同様、冷たい電子音と人間的な感情が対照的に配置されている。 - Massive Attack『Mezzanine』
ダークなエレクトロニカとトリップホップを融合した名盤。重い低音、暗い音響、浮遊するボーカルが生み出す閉塞感が特徴。 - Portishead『Dummy』
トリップホップを代表する作品。サンプリング、ジャズ、映画音楽的なストリングス、Beth Gibbons の繊細な歌声を組み合わせ、独特の孤独感を作り上げている。 - Goldfrapp『Felt Mountain』
エレクトロニカとクラシカルなストリングス、映画音楽的なアレンジを融合させた作品。Björk よりも静かで幻想的だが、電子音と生楽器を組み合わせて独自の世界観を構築する点は共通している。 - Kate Bush『Hounds of Love』
ポップス、アート・ロック、電子音楽、クラシック的なアレンジを自由に組み合わせた歴史的名盤。Björk とは時代も音楽性も異なるが、歌声そのものを楽器のように扱い、ポップスの中に実験性を持ち込む姿勢には強い共通点がある。
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まとめ
『Homogenic』は、1990年代のエレクトロニカ/アート・ポップを代表する傑作のひとつです。
電子ビートの冷たさとストリングスの温かさ。攻撃性と優しさ。孤独と愛情。
相反する要素をひとつの作品の中に同居させることで、他のアーティストには作れない独特の音世界を完成させています。
そして『Homogenic』の面白さは、単に「変わった音楽」ではないことです。
電子音もストリングスも実験的なアレンジも、すべてはBjörk の感情を表現するために使われています。そのため、複雑な音響でありながら、聴き終えたあとに残るのは非常に個人的な感情なのです。
1997年の作品でありながら、今聴いても古さをほとんど感じません。
美しく、冷たく、激しく、圧倒的に個性的。
『Homogenic』は、Björk というアーティストの核心に最も深く触れられる作品のひとつです。